ご無沙汰しています。アーツシです。
お粗末なレベルではありますがアーツシ、一応英語の心得があります。
エンジニアの日々の実務、転職においても度々それが役に立ってきました。
今回は、英語が出来ることで得してきた事、英語行けますよのアピールにコスパのいい資格などなど、これまでの経験をもとにお話しして行きます。英語ができることがなぜ、エンジニアとしての収入アップに繋がったのかを分析できればと思います。
派遣エンジニア出身の私から過去の経験をもとに、収入の低さや今の働き方に漠然と悩んでいる方に向けて、転職やキャリアアップに関する、一つの参考事例をご紹介できればとの思いで日々執筆しています。
平均値周辺の凡庸な人間が、年収1000万円のフルリモートエンジニアになってしまうまでのストーリーを共有する事で、この記事を読んでくださっている貴方が、転職や副業を通して自由な働き方、今よりも多い収入を手にするきっかけになれば幸いです。
英語だけで稼ぐのは無理ゲー
まず初めに、貴方の目的が「収入をアップさせたい」なのであれば、英語は“サブのスキル”に留める方がコスパが良い、ということを最初にお伝えしたいと思います。
たとえば、英語を本業にしている英会話講師や翻訳者は、「英語ができて当たり前」と見なされがちで、国内においてはそのスキルが直接的に高収入に結びつくとは限りません。
私も当初から英語で収入を上げるぞみたいな狙いがあったわけではなく、英語そのものが好きで学習を続けてきたため、一時期は翻訳や英文事務、あるいは英会話講師にでも転職しようかと真剣に検討していたことがありました。ですが、実際に求人を調べてみると、非正規雇用が多く、時給も想像以上に低かったことから、その道を断念したという経緯があります。
記憶を辿ると、2019年から2021年頃にかけて見かけた英会話講師の求人の想定年収は、だいたい200万〜400万円ほど。時給に換算すると、当時は1,200〜3,500円が相場だったように思います。
オンライン講師になるとさらに低く、1レッスン(25分)あたり600円や700円程度で募集が出ていたことも記憶に残っています。
翻訳者の場合も、フリーランスの平均年収は300万〜500万円ほどという記事を目にして、正直「英語一本でで一生食べていくのは厳しいな」と感じざるを得ませんでした。
余談かもしれませんが、外国語を習得するというのは、決して簡単なことではありません。
私自身は幼い頃から洋楽や洋画に親しんできて、英語の音に触れること自体に楽しさや幸せを感じられるタイプではありますが、だからといってスムーズに話せるようになったわけではありません。
「ある程度会話できる、読める」と自信が持てるレベルに達するまでには、相当な時間と努力が必要でした。
ましてや翻訳者や英会話講師となると、単語や文法の知識だけでなく、その言語が持つ文化的背景や微妙なニュアンスまでも理解していなければ務まりません。それだけの深い学びと実践を積み重ねた上で、ようやく仕事として成立するスキルです。
にもかかわらず、現実には「英語ができるだけでは稼げない」「翻訳や英会話講師の単価は安い」といった状況を目にして、これだけ手間と労力がかかるスキルが、こんなにも軽く扱われているのかと思うと、正直やる気をあっさりとなくしてしまいました。
努力に見合う報酬が得られない、というのは、誰にとってもつらい現実です。
そして今、2025年。自動翻訳や大規模言語モデル(LLM)の台頭により、言語スキルの希少価値はますます下がりつつあります。「外国語ができる」というだけでは職を得るのが難しくなってきているのが実情です。
なぜ英語はエンジニアの年収アップに繋がるのか
エンジニアにとって英語は「必須スキル」ではありません。
実際、2024年の調査においては日本で英語を話せる人は全体のわずか7%程度との報告が確認されています。さらに、英語を本職としないエンジニアで英語が扱える人となると、その割合はさらに下がります。
つまり、英語ができるエンジニアは希少性が非常に高い存在なのです。
前章でも述べたように、英語ができるだけでは、そのスキルが評価されにくい現実があります。
英語を本職にしてしまうと、「英語ができて当たり前」と見なされ、せっかくの希少なスキルがかえって輝きを失ってしまうことさえあります。
一方で、エンジニアという本職にプラスして「英語が使える」となると、そのスキルは貴方の価値を上積みする差別化要素としてまだ機能します。
英語が主役ではなく、“掛け算のパートナー”として機能することで、希少性が際立ち、より高く評価されるのです。
そもそも、プログラミング自体が世界共通言語であり、使われるドキュメント・エラーメッセージ・ライブラリの説明など、ほとんどが英語です。英語ができれば、Stack OverflowやGitHubといった世界中のエンジニアが集まる情報源をそのまま活用できるようになります。日本語では出てこないエラーの解決策が、英語で検索すれば一瞬で見つかる。そんな経験が数えきれない程あったし、現状もそう。
また、英語ができるエンジニアは、国内の仕事にとどまらず、外資系企業や海外スタートアップ、グローバルチームとのプロジェクトなど、選べる仕事の幅が一気に広がります。報酬水準が高い案件にもアクセスしやすくなり、自然と収入アップにつながるのです。
英語はエンジニアにとって「本職」ではないからこそ、そのスキルが一気に価値を持ちます。エンジニアとしてのスキルに英語力を掛け合わせることで、他のエンジニアと圧倒的な差をつけることができる。それこそが、英語ができるエンジニアの市場価値が高く、収入が上がる理由なのです。

カタコトのレベルで十分なブランディングになる
大前提として、英語が本職ではないので、完璧な英語力は求められない現場が多いのが現実です。これが、英語学習がエンジニアの収入アップにとって非常にコスパが良い理由だと私は感じています。
完璧な英語を求められない現場はほとんどありません。
派遣エンジニアとして勤務していた当時の事を思い返してみても、周りの人は総じて英語を読む、話す、聞くのがNGといった環境ばかりです。
ちょっとした英語力があるだけでも非常に有利です。たとえ英語が厳密に完璧でなくても、それがバレることはほとんどないので、初歩的な英語力でもコスパよく評価を受ける事ができ、次のステップに進むための大きなチャンスを得ることができます。
その結果、より多くの案件を任され、年収アップやキャリアの成長が期待できるわけです。
私自身、海外顧客の保守案件を通訳なしのワンストップで実現できる事が評価されて年収が大幅に跳ねた経験があります。
今現在も世界中の英語を母国語としないエンジニアたちと日々やり取りをしていますが、文法的におかしな表現を見かけることはよくあります。私自身も間違った表現を日常的に使っていると思いますが、それでもシステムは正常に動作し、プロジェクトも順調に進んでいます。
海外プロダクトを利用していると、通話でのQA窓口が英語しか対応していないというケースもよくあります。しかし、エンジニアリングの話の内容は、日本語に置き換えると非常にシンプルです。
例えば、こんな感じでやり取りをします:
- 「ちょっと変なエラーが出ているので、調べていただきたいです。」
- 「昨日は問題なかったですが、今朝からエラーが発生しています。」
- 「画面を共有しますので、見ていただけますか?」
- 「いつ頃、調査結果をいただけるでしょうか?」
緊急性を要する場合、会話はシンプルで問題ありません。詳細なエラー調査結果や対応はメールやチャットで行うことが多く、その際は、伝えたい内容を自動翻訳にかけ、ちょっとした表現の違和感をチェックするだけで大丈夫です。
私の経験では、中学や高校で学んだ英語さえしっかり押さえていれば、ほとんどのケースで対応できます。それができるだけで、地方のSES現場でも非常に有能なブランディングが可能になりました。
英語にアクセスできることで、仕事のスピードが上がり、他の人では対応できない業務を任されることもあります。また、SESの会社といえど、評価制度が整っている会社もありますから、その実績は年収査定にもプラスになります。
その経験と年収を元に、もっと高く評価してくれる企業へ転職することが可能になり、貴方の年収、キャリアアップに直結していくのです。
もちろん、TOEIC800点や英検1級などのレベルが求められるような業務は、日本のエンジニア業界ではほとんどありません。かなり初歩的な英語力で対応できる仕事が多いのです。

コスパで言うならTOEIC一択
とはいえ、何の証明もなしに「英語ができますよ」とアピールするだけでは、懐疑的な評価を受ける恐れがあるため、何らかの資格を持っていた方が良いでしょう。
「見せかけでいいから」とにかく英語できるというブランディングを早急に始めたいのであれば、TOEICをお勧めします。
TOEICスコアの評価基準は、一般的に以下のように分類されます。
- 10~250点:初級者レベル
- 255~400点:初中級者レベル
- 405~600点:中級者レベル
- 605~780点:中上級者レベル
- 785~900点:上級者レベル
- 905~990点:最上級者レベル
これらの基準は一般的な目安で、個人の目標や業界によって「すごい」と評価されるスコアは異なりますが、一般的なエンジニアの水準で考えて、700点を超えれば十分です。
私はSES時代にTOEICで最高760点を取得した記憶がありますが、そのスコアでも「君は英語ネイティブか?」といったレベルの過大評価を受けることができました。
ただ700点を取るためには、特別なメソッドがなくても可能です。
私自身が700点を超えた時に使用していた教材は、この英単語帳だけです。
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単語のレベル感が、難しすぎず、簡単すぎず、絶妙で、文法知識も例文と一緒に学べるため、非常にコスパが良いと感じています。個人的には、日本一の英単語帳だと思います。
日本中のすべての英単語帳を見たわけではないので、この意見に対して責任は一切負いません。
さらに、皆さんが受験する「TOEIC」はリーディングとリスニングのみです。
極端な話、英会話が全くできない人でも、700点を取ることは十分に可能です。
実際のところ、英検準一級の方がTOEICで700点大を取得するより遥かに難易度が高かったのですが、TOEICの方が転職の面接や、案件の面談では食いつきが良く、コスパを重視するのであれば、TOEIC一択だと感じています。
更なるキャリアアップには英検準一級
実際に使える英語をさらに磨きたい場合、英検準一級を目標にするのが良いと思います。
英検準一級は、単なる読解力やリスニング力だけでなく、英作文や面接など、実践的なスキルも求められるため、総合的な英語力が身に付く資格です。
特に、リスニングとライティング、そして面接の部分では、実際に仕事で使える英語に直結する力を養うことができます。そのため、準一級を取得することで、日常的なコミュニケーション能力が向上するだけでなく、ブリッジエンジニアなど、海外の案件に挑戦するためのしっかりとした基盤が得られると感じています。
英検一級については、個人的にはあまりお勧めしません。一級は非常に高いレベルの単語力を要求され、難易度もかなり高いですが、実務における直接的なメリットが薄いと感じるためです。
もちろん、一級を取得することで英語力が飛躍的に向上することは間違いないのですが、仕事で求められる英語力と一級の試験内容はかなり乖離している部分があると感じます。
特に、難解な語彙や高度な文法、または試験特有の英語表現に焦点を当てた内容は、日常業務や国際的なプロジェクトで直接役立つことは少ないと感じます。そのため、自尊心を満たすための目的以外では、一級の取得はあまり実利がないというのが私の意見です。
英検準一級は、英語の実用的な部分を広げるために十分な資格であり、特に業務で英語を使う機会がある人にとっては、スピーキングやライティング力を向上させるために有効な試験です。準一級のスコアがあれば、英語でのコミュニケーション能力がしっかりと証明され、特にブリッジエンジニアとして海外とのやりとりが求められる職種には非常に有利です。
TOEICと同様、英検準一級も独学で十分に取得可能なレベルです。
中高の文法知識の基礎さえあれば、公式の単語帳と問題集の2冊だけで合格できます。
実際、私もこの2つの教材を使って、かなり余裕を持って合格しました。
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面接試験がありますが、基本的にこちらも英会話スクールなどの課金は必須ではないです。
英作文対策でテンプレ的な言い回しや表現をストックしておくことで、面接の対策を兼ねる事ができます。アーツシが受験時に作成した英作文も本ブログにて公開中です。

実際、アーツシが一級に合格できた大きな要因のひとつも、この「表現ストック」にありました。書くだけでなく、話す試験――すなわち面接でも、このストックがスピーキング力の底上げに直結します。
ちなみに、アーツシは当時ほとんどお金の余裕がなく、面接対策はすべて独り言で乗り切りました。
ありがたいことに、それでも1発合格ができています。
よく「面接対策には有料レッスンを受けた方がいい」と言われますが、「合格する」ことだけを目的にするならば、必ずしも課金は必要ありません、というのがアーツシの立場です。
実際、独り言だけでもなんとかなりました。
そして今は素晴らしい時代になりました。AIと、無料で会話練習ができるツールが存在します。
こちらのアプリは、無課金で利用できる期間が限られているのですが、試験対策の最後の仕上げに無料トライアルを利用することで、無課金合格のツールとして利用可能です。
面接対策や、日常英会話もできるようになりたい方にはぜひ一度使ってみていただきたいです。
英検準一級の取得は、今後のキャリアアップや転職活動においても大きな武器となります。英語力を証明する手段として、TOEICや英検などの資格を取得することは有効ですが、実際に使用する場面を想定して、何が自分にとって最も価値があるのかを見極めることが重要です。
駆け出しのエンジニアこそ英語力を武器に
英語ができることがエンジニアとして収入アップに繋がる理由は、英語が「本職」ではないからこそ、そのスキルが付加価値として高く評価されるからです。プログラミングの世界では英語が共通言語として使われ、英語力を持つことで情報のアクセスや仕事の幅が広がり、結果としてキャリアや年収の向上に繋がります。

完璧な英語を求められる場面は少なく、カタコトのレベルでも十分に効果的です。
資格としては、TOEICのスコアを取得することが手軽でコスパも良いですし、更なるキャリアアップを目指すのであれば、英検準一級の取得も選択肢となります。英語をサブのスキルとして活用し、エンジニアとしての価値を上げていく事を是非ご一考ください。
ここまでお読みいただき、心から感謝申し上げます。これまでの経験をもとに書き綴っていくうちに、どうしても思いが溢れてしまい、予想以上に長くなってしまいました。お時間を割いてお読みくださったこと、本当にありがとうございます。
また近々お会いできると嬉しいです。
アーツシより ココロを込めて
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